卓球は男女とも団体戦の金メダルを大目標に掲げる。4月の世界選手権個人戦は5種目全て中国勢が優勝。この壁を越えるために何をするか。日本協会の宮崎義仁強化本部長は「忙しいスケジュールの中で、いかに強化するかが重要」と話す。
東京五輪のシングルス代表2人は男女とも来年1月の世界ランキング上位2人。選手はポイント獲得のためワールドツアーに参加するが、これに並行して8月末にTリーグが開幕する。
ツアーで中国選手と対戦し、Tリーグでも実戦を重ねることは選手のプラス。試合をこなすこと自体が強化につながる。一方で過密日程となり、代表合宿に全員が参加して強化練習の時間を割くことは難しくなる。
いつでも代表選手のコンディションを協会が把握できるように、協会はスマートフォンなどのアプリを導入した。選手の状態が日々分かるようになっており、所属先へ練習面のアドバイスや休養を勧めるなど連携を密にしている。
Tリーグ期間中は代表監督を各チームへ派遣することも予定。昨年より視察する回数を増やすといい、「国内で勝つためだけの練習になっていないか。国際的に勝てる練習か検証しないといけない。母体と協調しないと」と宮崎本部長。国内と海外では戦い方も戦術が全く違っていることから、練習を工夫した効率のよい強化を模索する。
協会はワールドツアーなどに専門家を派遣し、ライバルの分析を行っている。だが、中国のトップ選手となれば、対戦するたびに新しいサービスや戦術を生み出しており、「2、3カ月単位で新しいスタイルに変化している」。あらゆる戦術に対応できるよう、総合的に力をつけることが求められている。
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宮崎 義仁(みやざき・よしひと) 近大卒。1985年世界選手権団体3位。88年ソウル五輪出場。日本代表女子監督、男子監督などを経て2016年から日本卓球協会常任理事。強化本部長などを務める。60歳。長崎県出身。(2019年6月23日配信)
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