◇侍ジャパンの山田哲人、五輪イヤーに懸ける
侍ジャパンの一員として期待されるヤクルトの山田哲人内野手(27)。攻撃の全てで高い質が求められる記録「トリプルスリー」が代名詞だ。「東京五輪に出たい気持ちは強い。選ばれるために結果を出そうと、モチベーションも上がる」。夢の舞台へ、万能の好打者は並々ならぬ意欲を示す。
同一シーズンでの打率3割、30本塁打、30盗塁。プロ野球の長い歴史でわずか10人の快記録を一人で3度成し遂げた。偉業を当たり前のように達成し、周囲が「山田哲なら普通」と受け止めてしまう感覚。本人も「そこは常に目指すところ」と笑う。
たゆまぬ努力が下地にある。スイングの軌道や体の使い方、内外角や高低への対応を頭に描き、さまざまなティー打撃を若手の頃から欠かさない。走塁は「走りだし」「中間走」「スライディング」に細分化して突き詰める。捕手の肩より投手との駆け引きを重視し、昨季から今季にかけて38連続で盗塁に成功した。侍ジャパンの稲葉監督は「走攻守三拍子がそろっている」と評価する。
11月の国際大会プレミア12では、本職の二塁ではなく一塁を守った。打順も3番ではなく1番を担い、「任されたところで結果を残すのがプロ。どの打順、場面でも活躍する気持ちだった」。大会中は適応に苦しんだが、決勝の韓国戦で逆転3ラン。ここぞの場面で持ち前の打棒を披露した。
自国開催の五輪イヤーを迎える。ペナントレースを中断しての大一番に「夏は体が切れている」と頼もしい。「開幕から絶好調でやりたい。五輪への熱い思いを持って、2020年を戦う」。幾多の個人記録を手にした今、侍の悲願とする頂点を現実のものにする。(2019年12月4日配信)
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