◇清水希容、ライバルと切磋琢磨
東京五輪で初実施される空手。女子形の第一人者で、全日本選手権6連覇中の清水希容(ミキハウス)は金メダル有力候補に挙がる。実力とルックスを兼ね備える25歳は「一日一日をどう過ごすかが大事。数年分を凝縮した時間を過ごしたい」と意欲をみなぎらせる。
形は仮想の敵との攻防を演武し、技の正確さや力強さ、スピードなどを競う。清水の武器は、四大流派の一つ「糸東流」で基本とする速さや切れを守りながら、気迫を技に乗せる点にある。日本代表のコーチとして指導する古川哲也氏は「擬音で表現すると、『ビシッ』とインパクトを出すのが特徴」と話す。
五輪の会場と同じ日本武道館で行われた9月のプレミアリーグ東京大会。決勝で最大のライバル、サンドラ・サンチェス(スペイン)とは同点となり、再演武の末に破って優勝した。今季は負けが先行しているが、得点は常に僅差。清水は「いいライバル」と敬意を表す。昨年の世界選手権で3連覇を阻まれて以来、サンチェスは国際大会で切磋琢磨(せっさたくま)する宿敵。「年齢や人生経験はサンドラ選手に及ばないが、若くして世界のトップで戦っているため、修羅場やギリギリの戦いを誰よりも多く経験している。その経験や緊迫感が形に生きている」と古川氏。戦いの集大成が東京五輪となる。
清水にとっては、五輪に出ることがゴールではない。「目指すところは、五輪で最高の演武をして、『感動した』とか心に残ってもらうこと。魂を込めた演武をして、必ず世界一になりたい」。求道者は高みを目指している。(2019年11月27日配信)
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