◇ボート会場騒動を乗り越え
東京五輪ボート会場見直しの騒動に「長沼」が巻き込まれ、期待が失望に変わってから約3年の月日がたった。騒ぎが収まった後は置き去りにされてきた日本屈指のボート場が、五輪に関わる道を見つけた。ポーランド代表が事前合宿を行う。
ボート界でポーランドは準強豪国の位置付け。選手25人とスタッフ15人、合わせて40人のクルーを送り込む見込みで、五輪開幕直前の来年7月10~20日に事前合宿を行う。複数の候補地から宮城県登米市の長沼ボート場を選んだ。
登米市は長沼ボート場に隣接するクラブハウスを昨夏建設。77人収容で自炊施設を備え、キングベッドを搬入できる宿泊スペースや広めの洋式トイレも完備する。ポーランド代表は警備の観点からホテルに宿泊するが、練習中の休憩所や昼食会場としてクラブハウスを補助的に利用する。
東京から直線で約350キロ。ポーランドは視察の際、当初は成田空港から自ら運転して向かうと伝えてきた。登米市の担当者は「欧州でトレーラーを引いて陸路移動する感覚なのか」と思ったという。課題のアクセスは不利にならなかった。
長沼は2000メートルで8レーンを備え、風向きに応じてコースを使い分けられる。ボート関係者も「(五輪会場の)海の森水上競技場ができる前は常設コースで日本一。事前合宿チームが決まらないのは不思議だった」。市の担当者は「うれしい限り」と胸をなで下ろし、ポーランド代表を迎える準備を着々と進めている。(2019年11月13日配信)
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