◇「史上最強」超える勢い
日本サッカー史上、男子が五輪メダルを獲得したのは1968年メキシコ大会の銅だけ。東京五輪で「金メダル獲得」の大目標を掲げるU22(22歳以下)日本代表が、激化する競争の中でたくましい成長を見せている。
10月14日に敵地で行われた強化試合で、U22ブラジル代表に3―1と逆転勝利。PK戦負けした6月のトゥーロン国際決勝の雪辱を期す舞台で、田中碧(川崎)の2得点に続き、中山(ズウォレ)がゴール。公式戦ではないが、A代表が過去に一度も勝てていない南米の地で、真っ向から王国を破った意義は大きい。
この南米遠征では、今夏に欧州へ羽ばたいた食野(ハーツ)、菅原(AZアルクマール)の新たな戦力が活躍。招集が見送られた安部(バルセロナ)や前田(マリティモ)が不在の中、森保監督が「自分の力を最大限に発揮してもらいたい」と伝えた通り、アピールの機会を生かした形だ。
この世代では、冨安(ボローニャ)、堂安(PSVアイントホーフェン)、久保(マジョルカ)らはA代表に定着。監督は最大3人のオーバーエージ(OA)枠の活用も視野に入れ、最終18人のメンバー入りに向けた争いはし烈を極める。もちろんチームの底上げは歓迎すべきこと。監督も「競争があって、最後の舞台に立てる。お互い、いい刺激を受けながら、与えながら活動してもらいたい」と見詰める。
育成年代から世界を相手にしてきたこの世代は、強国を前にしても物おじするそぶりはない。東京五輪世代を軸に臨み、奮闘した6月の南米選手権がいい例だ。中田英や高原らを擁し、「史上最強」と呼ばれたシドニー世代を上回る成績を今から期待させる。(2019年11月6日配信)
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