◇成田真由美、飽くなき向上心
今月9~15日にロンドンで行われたパラ競泳の世界選手権で、49歳の成田真由美(横浜サクラ)が健在ぶりを示した。パラリンピックで金メダル15個を獲得した大ベテランは「49歳になってもチャレンジャーでありたい」。飽くなき向上心を胸に、来年の東京大会を目指す。
13歳の時に発症した横断性脊髄炎の影響で車いす生活になったが、23歳で水泳を始めると、1996年アトランタ大会から4大会連続で出場した。輝かしい実績を残して第一線を退き、東京大会組織委員会理事を務めていたが、選手としての出場を目指して復帰。前回リオデジャネイロ大会代表にも選ばれた。
今回の世界選手権では、大会前に肘を痛めながら4種目に出場して3種目で決勝進出。女子50メートル背泳ぎ(運動機能障害S5)は4位に入った。自身の持つ日本記録更新はならず、悔しさもにじませたが、「現状ではしっかり力を出せた」と一定の手応えを感じた。
日本選手団に与える影響も大きく、若手の手本となった。緊張する選手への声掛けや気遣いを欠かさず、女子100メートル平泳ぎ(視覚障害SB13)で銅メダルを獲得した22歳の辻内彩野は「本当に頼れる先輩で、母みたいな偉大な方」と感謝する。
障害が一つ軽いクラスに変更された2008年北京大会から、メダル獲得はない。同じ障害クラスのライバルは増え、競技力も上がっている。自身の状況は厳しくなるばかりだが、「仲間が増えたことはうれしい」と前向きに捉える。
来年3月には東京大会の代表選考会が行われる。「残された期間でできることを惜しみなくやっていくことが、結果につながる」。大会期間中に50歳を迎える6度目の大舞台に立つため、レジェンドは泳ぎ続ける。(2019年9月25日配信)
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