週刊オリパラ2020

◆柔道◆日本女性、常識破りの挑戦

◇ブラジル男子柔道率いる藤井裕子さん

 先に東京・日本武道館で開催された柔道の世界選手権で、日本人女性がブラジル男子代表の監督として奮闘した。藤井(旧姓中野)裕子さん(37)。2児の母である一方、畳の上では身長2メートル、体重160キロの巨漢選手に「センセイ・ユウコ」と慕われ、緻密な組み手や戦う姿勢をポルトガル語で伝えている。

 愛知県出身。語学留学した縁で英国代表の指導者となり、2012年ロンドン五輪では女子選手が銀メダルを獲得した。その後ブラジル代表のコーチに招かれ、女子57キロ級のラファエラ・シルバを16年リオデジャネイロ五輪の金に導いた。

 男子監督の就任は昨年5月末。ブラジル・オリンピック委員会の会長から打診された。「君は海外の人でもブラジルのために頑張ってくれると、人々の概念を覆してくれた。今度は、女性は男子を率いてはいけないとの常識を覆してほしい」。女性が男子チームの監督となるのは世界的にも珍しいが、藤井さんに迷いはなかった。「すごくいいチャレンジ。私がやらなければいけない」

 基本的な指導は女子と変わらないという。男子の方が素直で、やりやすいと思うことすらある。就任から1年以上がたち、「どんどん私が求めるレベルまで上げてくれる。精神的にも強くなったいい男たち」。選手に頼もしさを感じている。

 世界選手権でブラジルは混合団体で銅メダルをつかんだが、個人戦の男子は2年連続でメダルを逃した。強化は道半ばと自覚し、来年の東京五輪に向けて「選手たちと一緒にさらに強くなって、戻ってきたい」。母国開催の祭典で、教え子たちと歓喜を分かち合う姿をイメージしている。(2019年9月18日配信)

◆特設◆東京五輪・パラリンピック2020
◆強化担当に聞く2020◆

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