◇福岡県、ツアーで訪日客獲得を
東京五輪・パラリンピックを来夏に控え、福岡県が柔道をテーマにしたインバウンド(訪日外国人旅行者)獲得に力を入れている。日本の武道に興味を持つ外国人は急増中。ビッグイベントの日本開催を契機に、独自の「柔道ツーリズム(観光事業)」という概念を発信し、訪日客を増やすプロジェクトに着手した。
福岡は国内でも特に柔道が盛んな地。2000年シドニーと04年アテネの五輪2大会で金メダルを獲得した谷亮子(旧姓田村)さん、1976年モントリオール大会で金メダリストの二宮和弘さんら有力選手の出身地として知られる。道場数も多く、明治以前から続くものも。県では道場での体験練習や作法の指導、道場主と触れ合う機会など、外国人が興味を示すツアーを企画している。
東京五輪・パラリンピックは、柔道ツーリズム成功の大事な「てこ」の役割を果たす、と県は位置付けている。県内12市町村が各競技のキャンプ地として各国・地域の代表チームを誘致しており、柔道は福岡市がスウェーデン、宗像市がブルガリア、古賀市と福津市がルーマニア、久留米市がカザフスタンと合意。大牟田市はジョージアと交渉中だ。県柔道協会と県が連携し、福岡県警や実業団の選手を練習相手として紹介するなど、きめ細かいサポートも図る。
柔道を代表とする武道は、スポーツの枠を越えて日本文化を反映した側面がある。県スポーツ振興課の藤本隆顕・大規模国際大会班長(42)は、勝負以外の側面をアピール。「武道が福岡や日本の素晴らしさを知るきっかけとなってくれればうれしい」と話す。日本のお家芸にはメダルばかりではなく、異文化交流の期待がかけられている。(2019年9月11日配信)
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