◇「実験室」を契機に
落選から4年がたった。2020年東京五輪の実施競技に追加されなかったスカッシュは24年パリ五輪でも採用されず、今なおもがいている。五輪競技か否か。その違いは日本ではことのほか大きい。日本協会の神谷典子事務局長は「楽天的でもあり諦めてもいる」と率直な思いを語る。
スポーツクライミングやサーフィン、スケートボードなど東京五輪で追加された新競技は注目を集めている。神谷さんは「入っていたらどうだったか、とは考えない。つらすぎて」と言う。スカッシュも先を見据えた取り組みを続けてきた。
昨年の全日本選手権で、全方向から観戦できる「四面ガラスコート」を初めて導入した。最新技術を備えたコートではないが格安で購入。企業の協力を受けても年間数百万円の赤字となるが、スカッシュを五輪につなぎ留めるために身を切る。
国際オリンピック委員会(IOC)は五輪の一部として、トップ選手による公開試合や技術指導などを行う「スポーツ・ラボ(実験室)」の実施を掲げている。日本協会は東京五輪開幕前に実施したい意向を大会組織委員会に伝え、「四面ガラスコート」を設置する候補地を検討している。
日本では施設が老朽化してクラブがなくなるケースもあり、プレーしたくてもできない「スカッシュ難民」が出てきた。「五輪に入らないとコートが増えない」。20年に東京でスポーツ・ラボを実施することで何かの契機にしたい思いは強い。
東京の次の次は28年ロサンゼルス五輪。神谷さんは「米国は財力があり支援者も多い。アーバンスカッシュや子供への普及に力を入れている」と話し、追加競技入りへの望みを託している。(2019年7月31日配信)
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