週刊オリパラ2020

◆陸上◆再び輝き始めた元女王

◇寺田明日香、娘のために

 挑戦していたラグビー競技を昨年限りで断念した寺田明日香(パソナグループ)が、陸上女子100メートル障害に復帰した。目標は東京五輪出場。かつてのハードル女王は、再びトラックで輝きを放ち始めた。

 復帰2戦目の5月のレースで、13秒19をマーク。6年ぶりに臨んだ6月の日本選手権では、優勝した木村文子(エディオン)と100分の2秒差の13秒16で3位に食い込んだ。「戦い慣れている人と、そうでない人間の差が出た」。試合勘を課題に挙げたが、1年後への可能性を感じさせた。

 「ラグビーで潔く負けを認める」。そう言って、再び慣れ親しんだ舞台に戻ってきた。楕円(だえん)球と真剣に向き合った時間を、無駄ではなかったと感じている。激しいタックルを受ける中でたくましさが増した。「怖さがなくなった。ハードルが向かってくるわけではない」

 以前は目の前のハードルに漠然とした恐怖心があった。それが走りに影を落とし、2013年に引退を決めた時は心も疲弊していた。だが、今は心境が変わったという。「いろんなことを経験して戻ってきて、懐かしいというより、新鮮で初心者みたい。楽しい」。走らされている感覚だった自分は過去に消えた。

 強い思いがある。まな娘の果緒ちゃん(4)に五輪に出ている姿を見せたい。ラグビー転向時、長期合宿の連続で涙がこぼれた時も「ママ、泣かないで」と励ましてくれた娘の存在が、29歳になった寺田の背中を強く押す。(2019年7月24日配信)

◆特設◆東京五輪・パラリンピック2020
◆強化担当に聞く2020◆

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