◇佐藤希望「息子2人に見せたい」
フェンシング女子エペの日本代表、佐藤希望(32)=大垣共立銀行=が、幼い息子2人を抱えて3度目の五輪出場を目指している。前回のリオデジャネイロ五輪で8位入賞と健闘したベテラン。「リオは遠過ぎて長男を連れていけなかった。東京五輪は生で見せたい」。懸ける思いは強い。
2012年ロンドン五輪に出場後に結婚。長男匠君(5)の出産を経てリオ五輪も代表入りした。大会後は現役引退が頭をよぎったが、「2人目ができた時に気持ちが切り替わった。またやろうと思った」。次男の旬君(1)を産んだ後の18年に再び剣を握った。
日本代表が活動する味の素ナショナルトレーニングセンター(東京都北区)では、託児室に子供を預けて練習に励む日々。頻繁にある海外遠征の際は、福井県の実家の両親に1カ月預けることもある。「子供は泣かないですね。結構慣れてしまって」とは言うものの、「動き回るし、『イヤイヤ期』も出てきている。たまには子供のペースにも合わせないといけない」との悩みも。競技との両立に挑む「ママフェンサー」は、周囲から「女性アスリートのモデルになってほしい」との期待を受けてもいる。
昨年12月の全日本選手権では長いブランクの影響で精彩を欠いたが、この春には「かなり体は戻ってきて、筋力がアップしている」と手応えを感じるようになった。ワールドカップ(W杯)で優勝を重ねる男子エペの見延和靖(ネクサス)や加納虹輝(早大)の活躍に刺激を受け、「男子エペで通用するということは、きっと女子もできる」と上位入賞へ意気込む。(2019年5月9日配信)
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