週刊オリパラ2020

◆レスリング◆初めて感じた重圧

◇須崎優衣、苦境から五輪代表争い

 涙が頬をつたった。レスリング女子50キロ級の須崎優衣(19)=早大=。4月3日、左肘のけがから約半年ぶりの復帰戦で優勝したが、決勝は2-1の辛勝。「悔しさから出る涙です」。そう言って自分を責めた。

 女子の最軽量級は日本勢が世界トップに立ち続けている。2016年リオデジャネイロ五輪48キロ級では登坂絵莉(東新住建)が金メダルを獲得し、世界選手権と合わせ4年続けて世界一に。その登坂がけがで休養中に須崎が台頭した。17年世界選手権48キロ級で初出場初優勝。18年も50キロ級を制して2年続けて世界女王となった。

 日本オリンピック委員会(JOC)が設立した育成機関、エリートアカデミー出身の逸材。持ち前の俊敏性を生かして勝った17年世界選手権の後、さらに筋力を鍛えてレベルを上げた。18年世界選手権では全4試合で相手に1点も与えない完璧な内容。タックルをつぶされても寝技で得点できる幅の広い攻撃を見せ、20年東京五輪で金メダル候補の筆頭と評される存在になった。

 しかし、ここから暗転。昨年11月に左肘を痛め、靱帯(じんたい)断裂と脱臼の重傷。東京五輪の代表選考につながる翌月の全日本選手権には間に合わなかった。

 メダルを取れば東京五輪代表に決まる9月の世界選手権に出るには、6月の全日本選抜選手権を勝った上で、全日本選手権を制した入江ゆき(自衛隊)とのプレーオフに勝つ必要がある。五輪女王の登坂も復活を期す。もう1敗もできない重圧。復帰戦では「初めてプレッシャーを感じた。理想に実力が追い付いていない」。この苦境から脱し、五輪代表の座をつかむしかない。(2019年4月24日配信)

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