ロシア疑惑の捜査が不発に終わったことで、トランプ氏を追及していた米メディアは「第二の敗戦」の様相を呈している。英紙ガーディアン(電子版)は「トランプ氏は民主党とメディアに対する復讐(ふくしゅう)攻撃として、疑惑を立証できなかった捜査報告書を『兵器化』しつつある」と指摘。「No collusion(共謀はなかった)」を20年大統領選のスローガンにするだろうとの見立てを伝えた。
ほぼすべての米メディアは、16年の大統領選でトランプ氏の言動や行動を非難し、クリントン元国務長官を後押ししたが、最終的に「敗北」。トランプ氏はこの事実によって米メディアを「偽(フェイク)ニュース」と決め付けている。
その後、ワシントン・ポスト紙やニューヨーク・タイムズ紙、CNNテレビなどの主要メディアはトランプ氏をめぐるスキャンダルの追及に努めてきた。トランプ氏は、捜査報告書提出の後、「(米国の)主要メディアは腐敗し、偽物(フェイク)だと世界中で嘲笑されている。彼らは国民の真の敵であり、野党だ」と勝ち誇った。
ホワイトハウスは最近になって、メディアの活動を制限する新たな決定を行った。それは「ホワイトハウスに週3回以上通わなければ、プレスパス(記者証)を取り上げる」という一方的なものだ。オバマ前政権時代は大統領報道官の記者会見は毎日行われていたので、特に問題はなかった。現在、トランプ政権のサンダース報道官の記者会見は1カ月に1回あるかないか。このため、ホワイハウス内部にデスクがない外国報道機関の記者はプレスパスがもらえず、会見場から事実上排除されてしまう。
トランプ氏の「大逆襲」は同盟国も巻き込み、これまで積み重ねてきたメディアの役割や既存の国際秩序を揺るがす事態になっている。
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