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「イチローは日本の見方変えた」 MLB幹部に聞く

イチローは唯一無二

 2019年の米大リーグは北米開催に先立ち、3月20、21の両日に東京ドームでアスレチックス-マリナーズ戦を実施して開幕する。日本での大リーグ公式戦は7年ぶり。大リーグ機構(MLB)の国際業務を統括するシニアバイスプレジデントのジム・スモール氏(58)が時事通信のインタビューに応じ、日本やアジア市場に対する期待やMLBのグローバル戦略などについて語った。(聞き手・時事通信運動部 山下昭人)

◇ ◇ ◇

 ―日本での公式戦開催に期待することは。
 日本におけるMLBの開幕シリーズは2000年が第1回で、今回が5度目。これだけ回数を重ねているのは感慨深い。ファンの力が後押ししてくれている。順調にいけば、2人の日本選手が姿を見せてくれる。マリナーズのイチロー選手と菊池雄星投手の参加は非常に重要な意味を持つ。両チームとも若手が育っているチームで、その魅力もご覧頂けると思う。
 (日本開催は)アジア全体にとって非常に重要。日本で行う試合は、中国や韓国、台湾などファンベースが多い各国で、プライムタイムでご覧頂けるのは大きい。本国で行う試合は(日本では)午前7時とかの早い時間になってしまうので。

 ―中でもマリナーズのイチロー選手に対する期待感は。その存在感や影響力についてはどのように感じているか。
 人物としても野球選手としても素晴らしいという一言でしか表せないぐらいのすごい人だと思っている。日米どちらにも存在しなかったタイプ。唯一無二の存在にしか思えない。日本野球や日本という国に対する米国人の見方すら変えてしまったと思う。日本食が非常にブームになり、漫画という文化も広まった。時期的にみると、イチロー選手が米国でデビューした後に起きてきたムーブメントではないか。

 ―イチローの存在がMLBのビジネスやマーケティングの一助になった部分は。
 イチロー選手がいなければMLBの日本オフィスは存在しなかったのではないかと思うぐらい貢献してもらっていると思う。01年にイチロー選手が米国に行ってあれだけの活躍をしたことで、われわれのビジネスが広がっていく、成長していくということを信じられた。(1995年に)野茂英雄投手が米国に行って日本にドジャースファンが多くなった。イチロー選手がさらにファンベースを高いところに持ってきてくれている。

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