名古屋で今、最も熱い視線を集めている漫画が「八十亀ちゃんかんさつにっき」。ご当地ネタ満載で、最新の第5巻の売り上げは名古屋地区で某人気長寿漫画を上回ったという情報もある。今春からのテレビアニメ放映も決まった。「こりゃ、行こまい!」と名古屋弁で叫び、漫画に出てくる「うみゃーもん」を探しに現地に飛んだ。
飛んだと言っても名古屋に行くのはやっぱり新幹線。通過してばかりの人も多いかもしれないが、一度は降りてみてほしいディープな街だ。
その神髄に触れられるのが、名古屋駅から市営地下鉄で10分ほどで行ける「大須」。古くから老若男女が集まる商店街は、市内随一の食べ歩きスポットとしても知られる。
◇人気1位はからあげ
大須の食べ歩きの人気ナンバーワンはからあげ。漫画では、八十亀ちゃんが「フーッ、フーッ」と熱々のみそからあげを食べるシーンもある。大須案内人、吉田大士さんによると、ブームの発端は李さんという人が始めた台湾屋台の「台湾唐揚げ」だった。今は多くの店がひしめき、味を競い合っているという。
話に付いてこられない人もいるかもしれないので、ここで漫画「八十亀ちゃんかんさつにっき」を解説しておこう。
主人公は名古屋を愛する女子高校生、八十亀最中(やとがめ・もなか)。「にゃあにゃあ」と昔ながらの名古屋弁を操り、東京から転校してきた男子高校生の陣界斗(じん・かいと)を翻弄(ほんろう)する。
といってもネコのようにかわいい八十亀ちゃんは天然なだけ。名古屋ネタをめぐってかみ合わない2人に、岐阜出身の只草舞衣(ただくさ・まい)と三重出身の笹津やん菜(ささつ・やんな)の2人の女子高校生も加わって、東海地方のご当地情報満載でドタバタを繰り広げる4コマ漫画だ。
ちなみに「やっとかめ(八十日目)」は名古屋弁を代表する言葉で「久しぶり」を意味する。
漫画にも登場する大須商店街の待ち合わせスポットが巨大な招き猫。ちょっとした広場になっており、週末はイベントが行われたり、大須案内人のテーブルが出たりするという。商売繁盛の象徴と知ってか知らずか、招き猫をバックに中国人らしき大家族が全員で自撮り写真を撮っていた。
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