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2019年センバツ注目の150キロ右腕、星稜・奥川恭伸

10連続奪三振も

 第91回選抜高校野球大会(3月23日開幕、甲子園球場)の出場32校が決まった。優勝候補の一角に挙げられるのが、3季連続の甲子園出場となる星稜(石川)。注目はプロからも熱い視線を浴びているエースの奥川恭伸投手だ。身長183センチの右腕は最速150キロの力強い直球に加え、スライダーとフォークの切れも鋭い。選抜大会屈指の好投手で、早くも今秋のドラフト上位候補とされる逸材。「昨秋より成長したと言ってもらえる投球を甲子園で見せたい」。春夏を通じ石川県勢初の甲子園大会優勝に向け、意気込んでいる。(運動部・奥岡幹浩)

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 奥川は昨年も2年生で春夏の甲子園を経験。第90回選抜大会ではロング救援で好投して同校最高に並ぶベスト8進出に貢献し、第100回の全国選手権大会では先発として素質の高さを示した。夏は開会式直後の開幕試合に登場。偶然ながら第100回記念イベントの「レジェンド始球式」を務めた星稜OB、松井秀喜さんの傍らで偉大な先輩を見守り、「頑張って」と声をかけてもらった。2回戦で足がつって途中降板し、その後チームはタイブレークの延長十三回に逆転負け。来年こそは、と闘志を燃やした。

 夏の甲子園後のU18(18歳以下)アジア選手権に2年生でただ一人出場。甲子園では投打で活躍した大阪桐蔭(大阪)の根尾昂選手、旋風を巻き起こした金足農(秋田)の吉田輝星投手ら、後にドラフト1位でプロ入りした面々と貴重なひとときを過ごし、エキスを吸収した。

 新チームになった秋は圧巻の投球を重ねた。石川県大会を制して北信越大会へ。その準々決勝、五回コールド勝ちした松本第一(長野)戦で一回先頭打者から10連続三振を奪うなど、15アウトのうち三振が13個。ほとんどバットに当てさせず、わずか1安打に封じ込んだ。啓新(福井)との決勝は延長十五回2―2で引き分け、奥川は183球を投げ抜き、17奪三振、無四球完投で自責点0。スタミナと球威、抜群の制球力を披露した。再試合には登板せず、星稜が勝って地区制覇。全国10の地区大会優勝校で争う明治神宮大会でも好投。チームは決勝で札幌大谷(北海道)に惜敗したが、奥川自身は先発、救援で3試合、計15回3分の1を投げて1失点(自責点0)、26奪三振、与四球2と申し分のない数字を残した。

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