ノルディックスキー・ジャンプ男子の2018―19年シーズンのワールドカップ(W杯)で大活躍している22歳の小林陵侑(土屋ホーム)が、時事通信の単独インタビューに応じた。年末年始の伝統イベント、ジャンプ週間で史上3人目となる4戦全勝の総合優勝。ジャンプ競技に目の肥えた欧州のメディアやファンにも衝撃を与え、一躍「時の人」となっている。今季W杯の序盤で初の表彰台(3位)、初優勝と続くと、覚醒したかのように勝利を重ねていった新星。ジャンプ週間の翌週、イタリア・バルディフィエメのホテルで率直な胸の内や自身のキャラクターなどを明かしてくれた。(聞き手・ロンドン特派員 長谷部良太)
◇ ◇ ◇
―ジャンプ週間が終わった直後は「実感がない」と言っていたが、徐々に沸いてきたか。
そうですね。どこに行っても話しかけられる。「チャンピオン!」みたいな感じで。(日本チームが集まっていると)「コバヤシ」は誰だ? という感じで(笑)
―勝ったな、と実感するのか。
そうですね。そこで実感しますね。
―ジャンプ週間総合優勝のポイントになったのは、開幕前にも言っていた初戦だったのか。
特にカギになったとかはないですけど、どの台もビッグジャンプで楽しめてよかったです。
―第1戦と第2戦は僅差の勝利。風の条件次第では負けてもおかしくない中で、勝負強さがあった。
本当に僅差で、ウインドファクター(風の補正点)に助けられた。そこは本当にいい時代になったなと思います。
―自分は「持ってるな」という感じか。
そうですね。ガルミッシュパルテンキルヘン(ドイツ)大会では距離が10メートルほど足りていなかったけど勝てたのは、昔ではあり得ない、ウインドファクターとゲートファクター(スタート位置の補正点)ができて、この時代に競技をやっている奇跡が4連勝につながったと思います。
―昨年夏に左膝を痛めた影響はあったか。
(痛みは)全くなくなるものではないと思っていたので、痛みとうまく付き合いながら、うまくやっていければいいと思います。
―膝の症状や診断は。
ただのジャンパー膝。炎症を起こしているので、しっかりケアをして飛んでいければと思います。
―休んで治るものでもない。
そうですね。炎症が起きていくので衝撃があれば(痛くなる)。
―ジャンプ週間中は首も痛めた。影響はなかったか。
インスブルック(オーストリア)大会の1回目で首を痛めてしまった。(宿舎に)帰った時が一番つらくて、電気のケアと、しっかりマッサージしてもらった。試合までにはだいぶ痛みはなくなったんですけど。
―「やばいな」と感じた?
そうですね。(最終戦の)予選のある予定の日が結構やばくて、これで飛んだら結構やばいなと思った。
―予選は大雪で延期された。
ラッキーでしたね。
―インスブルック大会の1回目に飛び過ぎて衝撃が強かったか。
たぶん変な風に力が入って、それで痛めたんだと思います。
―今季は開幕戦で初めてW杯の表彰台に乗り、第2戦で初優勝。今の姿を昨季まで想像できたか。
いえ、全く想像できなかったですね。
―それが(ジャンプ週間終了までの)11戦で8勝。
振り返ったら確かにすごいですけど、あんまり先のことも後のことも考えていないので特に満足とかはないですね。
―勝ち過ぎという怖さもないか。
ちょっとはありますけど、今は調子がいいのでそういう時かなと思っています。
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