いよいよ試乗。片道150メートルの距離を往復走行し、右折やカラーコーンを避けながらの蛇行も非常にスムーズだった。ただ、時速10~15キロ程度でゆっくり進んだこともあり、安定していたが、「これって、車なの?」という違和感もあった。
なめらかで正確なのに、なぜかぎこちなさを感じてしまう独特の動きは、夏休みに日本科学未来館で見た人型ロボット「ASIMO(アシモ)」とどこか似ていた。丸みを帯びた外見も、車というよりロボットに近いように感じた。
マイリーには、そんな思いを裏付けるような先端技術が盛りだくさんだ。車内には、自動運転を制御するためのソフトウエアや、高精度の3次元地図が組み込まれている。また車体の上や前後左右に、光線で周囲の物体を把握する「ライダー」と呼ばれるレーザースキャナーが設置されているため、対向車や障害物を検知しつつ、自車位置を推定し、正しく走行すすることができるのだとしている。
アイサンテクノロジーによると、低速走行時の設定ルートからの誤差はプラスマイナス5センチ程度。後部座席の下にはリチウムイオン電池も搭載され、1回の充電で約3時間走ることができる。
国土交通省自動車局によると、自動運転システムでは、運転に必要な「認知」「判断」「操作」を機械が代替している。
まず、ドライバーが目や耳で行う「自車位置把握」「道路環境把握」「物体検知」といった「認知」は、高精度3次元地図やカメラ、レーザースキャナーなどが担う。どの装置を組み合わせるかはメーカーによって異なるが、人工知能(AI)などの最先端技術も活用し、機能を高めている。位置の把握には、全地球測位システム(GPS)も活用される。
認知の次に行う「進む」「止まる」「曲がる」などの「判断」は、コンピューターがビッグデータを基に、計算によってはじき出す。例えば、信号が赤になれば「止まれ」の指令を出すよう、プログラムを設計する。
そして判断を受けた実際の「操作」は、ハンドルやブレーキ、エンジンをつかさどるそれぞれの電子制御装置(ECU)が担うのだ。
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