日本相撲協会は10月1日、臨時理事会を開き、貴乃花部屋の力士ら10人の千賀ノ浦部屋への転属願を承認した。貴乃花親方から提出されていた「引退届」も後日提出された上申書と合わせて退職願とみなして受理し、同日の臨時理事会に報告した。理事会後に記者会見した八角理事長(元横綱北勝海)らの記者会見の主なやりとりは次の通り。
【冒頭説明】
芝田山広報部長(元横綱大乃国) 貴乃花部屋力士らの所属先変更願は、書式の整った書面が9月29日にそろったので、本日の臨時理事会で、全員一致で承認された。力士8人、床山1人、世話人1人は千賀ノ浦部屋へ移籍する。貴乃花親方については「引退届」と書かれた書面と、その後提出された「引退を退職と読み替えてほしい」との上申書の2通が出ており、法的問題がないことを双方の弁護士で確認し合ったので、本日10月1日付で受理し、臨時理事会で報告・確認した。
貴乃花親方の弁護士から、退職を9月25日付にしてほしいとの要望があった。本人が求めているとのことだが、親方の退職は協会が受理した時点で退職となるので、10月1日になる。弟子たちの所属先変更願も、正式な書面が整った29日付になるはずだが、25日付としてほしいとのことなので、こちらはそのまま受け取った。貴乃花親方がなぜ9月25日付の退職を求めたのか、弁護士から説明はなかった。
八角理事長 貴乃花親方は22回の優勝を成し遂げた立派な横綱であり、大相撲への貢献は非常に大きい。今回このような形で相撲界を去ることは誠に残念。協会執行部は直接話し合いたいと思った。親方全員が一門に所属する件も直接説明したいと思った。千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)に、貴乃花親方と一緒に協会へ出て来られないかとお願いし、1時間半ぐらい説得してくれたが、断られた。貴乃花親方の弁護士にも、週末も出勤しているので面会できると伝えてもらった。貴乃花親方の知人も心配して協会に電話をしてきたので、いつでも会うと伝えたが、面会できなかった。残念に思う。
親方全員の一門所属は、協会のガバナンスとコンプライアンス強化のために必要だと考えてのこと。しかしこのことで、協会から締め出すようなことをしてはいけないと考えていた。9月27日の理事会までに所属一門が決まらなければ、待つつもりでいたし、私は、どこにも決まらなければ、高砂一門で引き受けることを協議しようと考えていた。直接話せなかったので、全ての一門が門戸を開いていることを、協会弁護士から貴乃花親方の弁護士に伝えてもらい、協会に電話してきた知人にも伝えた。親方の弁護士は「最善を尽くします」と言ってくれたが、連絡がないまま、きょうを迎えたことは残念に思う。
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