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男役を超えて 早霧せいなさん「るろうに剣心」を語る

宝塚のファン拡大

 幼いころから体を動かすことが好きで、スポーツも得意だった早霧さんが宝塚を志したのは中学時代。通信教育の情報誌で真矢ミキさんを見て、男役に憧れた。「世界に唯一の女性だけの演劇集団というキャッチフレーズと、ミキさんのショーでのスーツ姿のとりこになりまして」。バレエや声楽を習い始め、3回目の受験で宝塚音楽学校に合格した。

 2001年に「ベルサイユのばら2001」で初舞台を踏み、端正な容姿と細やかな芝居で早くから注目された。09年に宙組から雪組に移り、11年には2番手に昇格。14年にトップに就くと、相手役の咲妃みゆさんとの息の合ったコンビで人気を集めた。

 宝塚大劇場と東京宝塚劇場でのトップお披露目公演だった「ルパン三世」は、「宝塚歌劇100周年」の盛り上がりを未来に引き継ぐ大きな役割を担う作品だった。癖のあるキャラクターぞろいの、宝塚としては異色の題材だが、「作品の力を借りて宝塚を知ってもらうチャンス」と、型にはまらない男役像を作り上げ、原作ファンを含む新たな客層を呼び込んだ。

 以後、退団公演の「幕末太陽傳」まで、本拠地の宝塚大劇場(2550席)と東京宝塚劇場(2065席)での本公演5作品すべてが観客動員率100%超。宝塚史上初めてのことだった。

 「目の前の作品を見ていただけ。主演として自分の名前が出る以上、つまらない作品にしたくない、お客さまには楽しんで帰ってほしいという一心。そのためには作品で見せていくしかない。毎回、前の作品より面白いものにしたいという思いで自分自身にかけるプレッシャーは大きかったけど、お客さんに喜んでもらえているという手応えも感じていました」

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