昨年までの苦しみを糧にした。千葉・市船橋高3年だった2016年に全日本選手権個人総合で10位と健闘。慢性的に抱える手首や腰の痛みが影響し、昨年は思うような成績を残せなかったが、「練習方法を見つめ直して、量をこなすより質のいい練習を心掛けるようになった」。痛みが引いた今年、強みでもある演技の美しさを試合で存分に発揮できるようになり、一気に花開いた。
しかし、5月のNHK杯は優勝を目前にした最後の鉄棒で落下。全日本種目別選手権でもゆか決勝で尻もちをつくなど、普段は考えられないミスがあった。「最後の場面ではこんなにプレッシャーがある、と経験ができた」。成長の試練と受け止めた。
今は8月開幕のアジア大会に向けて集中している。完成度の高い流れるような演技は、アテネ五輪団体総合金メダリストで順大コーチの冨田洋之氏も評価しており、「今の演技の質を維持しながら、これからはDスコア(演技価値点)を上げてほしい」と期待する。29歳の内村を継ぐオールラウンダーとして期待を背負う19歳。東京五輪での飛躍を目指し「前までは間に合うのか不安があった。今は(五輪)代表が近いところまできている。もっと強くなりたい」と言い切る。(2018年7月21日配信)
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