両親は中国出身の元卓球選手で、母の凌さんは同国代表に選ばれた経験を持つ。才能を受け継いだ張本のボールタッチは柔らかい。前陣速攻型でミスなく強い球を打ち、技術が必要なストレートへのコース変更も自在。同じように台の近くでの高速ラリーを得意とする樊振東でさえ「コースの変更がとてもうまい」と舌を巻いている。
のみ込みが早く、技術の幅をどんどん広げている。日本男子の倉嶋洋介監督は「1のことを言ったら、そこから広げて3を返してくる」と表現する。3月のカタール・オープンでウーゴ・カルデラノ(ブラジル)に敗れた後、相手がトスを高く上げて繰り出した「投げ上げサーブ」に着目して自主的に練習。6月のジャパン・オープンでの馬竜戦では、そのサーブで意表を突いて勝利を引き寄せた。
フォアの力強さはまだトップ選手に及ばず、台から少し離れて打つ際のフットワークにも課題がある。今後、中国勢が徹底的に研究をしてくることも予想され、張本は「常に勝ち続けられるようにしたい」とかぶとの緒を締める。
15歳にとって残り2年は、表彰台を狙うトップ選手へと進化を遂げるには十分な時間だろう。小学生の頃から公言してきた「東京五輪で金メダル」は現実味を帯びている。(2018年7月21日配信)
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