大阪市生まれ。ハイチ出身の父と日本人の母を持つ。3歳で米国へ移住して日常会話は英語。日本語は「勉強中」と言う。180センチの長身で、時速200キロを超えることもある高速サーブが最大の武器。強烈なストロークで押しまくる一方、一度ペースを崩すと立て直せない精神的なもろさが同居する。
今季の躍進を支えるのは冷静な試合運び。サーブのスピードを抑え、ショットはコースを重視するなど、強打ばかりに頼ることがなくなった。減量によりフットワークも良くなり、1月の全豪オープンでは四大大会で初めて4回戦まで進んだ。
BNPパリバ・オープンは四大大会に次ぐ格付けで、トップ選手もそろって出場した。その中で大坂は、マリア・シャラポワ(ロシア)やシモナ・ハレプ(ルーマニア)ら、世界ランキング1位経験者を次々と破り、7試合を勝ち抜いた。勝因を問われて言い切った。「集中力。目の前の試合に集中していることが結果につながった」
先のウィンブルドン選手権では、センターコートの雰囲気にのまれて3回戦で完敗。リズムをつかめないまま敗れたが、伸びしろがあることは本人も分かっている。東京五輪への意欲を聞かれ「最高の選手になって出場したい」と答えたことがある。大器が目指す理想像は、まだまだ先だ。(2018年7月21日配信)
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