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若手選手、狙うメダル 東京五輪あと2年

【テニス・大坂なおみ】「最高の選手」目指して

 力を存分に発揮できれば、太刀打ちできる者はいない。強豪を連破しての頂点は、そんな印象を抱かせた。大坂なおみ(20)=日清食品=は3月にテニスのBNPパリバ・オープン女子シングルスでツアー初優勝を遂げた。四大大会制覇、2年後の東京五輪メダル獲得への期待を一層かけられる存在になった。

 大阪市生まれ。ハイチ出身の父と日本人の母を持つ。3歳で米国へ移住して日常会話は英語。日本語は「勉強中」と言う。180センチの長身で、時速200キロを超えることもある高速サーブが最大の武器。強烈なストロークで押しまくる一方、一度ペースを崩すと立て直せない精神的なもろさが同居する。

 今季の躍進を支えるのは冷静な試合運び。サーブのスピードを抑え、ショットはコースを重視するなど、強打ばかりに頼ることがなくなった。減量によりフットワークも良くなり、1月の全豪オープンでは四大大会で初めて4回戦まで進んだ。

 BNPパリバ・オープンは四大大会に次ぐ格付けで、トップ選手もそろって出場した。その中で大坂は、マリア・シャラポワ(ロシア)やシモナ・ハレプ(ルーマニア)ら、世界ランキング1位経験者を次々と破り、7試合を勝ち抜いた。勝因を問われて言い切った。「集中力。目の前の試合に集中していることが結果につながった」

 先のウィンブルドン選手権では、センターコートの雰囲気にのまれて3回戦で完敗。リズムをつかめないまま敗れたが、伸びしろがあることは本人も分かっている。東京五輪への意欲を聞かれ「最高の選手になって出場したい」と答えたことがある。大器が目指す理想像は、まだまだ先だ。(2018年7月21日配信)

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