現役を引退してからサンフレッチェ広島の育成部の巡回コーチをしながら、協会でもトレセンコーチとして活動した。今の私にとって非常に大きな経験。地方を回って、グラスルーツの所から指導者の方々、プロでお金をもらって教えているのはほんのわずかで、大勢の方々は仕事もあり、家庭もあり、自チームの選手を見て、トレセン活動や選抜活動をする。自己犠牲を払って選手を育ててくれているということ、そういう活動をクラブでも協会でも見た。
そういう努力があって選手が育ち、日本代表や五輪代表へ選手を送り込んでいただいているということ。すべての指導者や環境を整えてくれる方々の努力があって、われわれは素晴らしい選手を見ることができる、日本を代表して戦うことができるのを忘れてはいけない。そういう方々の気持ちを背負っていつも戦うんだということ、そこは常に肝に銘じて戦っていきたい。
ワールドカップ(W杯)ロシア大会をコーチとして経験し、西野朗監督は本当にすごい、素晴らしい監督だと思った。監督としての才能はもちろん、日本サッカー界の歴史を踏まえて日本らしいサッカー、日本人の良さを生かしたサッカーでチームづくりをしていた。
ハリルホジッチ前監督から、日本人に足りないところ、デュエルの部分やゴールに素早く向かっていくところを、日本人の良さにプラスアルファしながらチームづくりをしていた。考えていることが本当に大きくて、日本人にどうしたら合うかということを常に考えてチームづくりをしていると思った。そういう西野監督からバトンを受け継ぎ、日本人らしく、日本人の良さを出して戦い、世界と向き合っていきたい。
ただ、世界の前にまずアジアがある。しっかりとしたチームづくりをしてアジアを戦い抜き、世界との戦いに向かっていきたい。西野監督がやったオールジャパンで戦うチームづくりを私も継承して進化させていきたい。五輪では2年間、次のW杯では4年間、選手とスタッフとともに最高のチームをつくり上げていきたい。しかしながら、現場の選手とスタッフだけでは強いチーム、強い日本代表はつくれない。日本代表を支えてくれるすべての皆さんの力を貸していただき、力を結集して、強い日本代表が世界に打って出られると思っている。どうぞわれわれといっしょに戦っていただければと思う。常にその時のベストを尽くして戦っていきたい。
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