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スイスで「フォーミュラE」観戦

電気自動車が街を疾走

 環境意識の高まりも反映し、電気自動車(EV)のレーシングカーが市街地を疾駆する国際レース「フォーミュラE」の人気が世界各地で高まっている。爆音をとどろかせる「F1」と異なり、「EV版F1」のレーシングカーは風を切る「ヒューン、ヒューン」といった音や、タイヤがきしむ音が上がる程度で比較的静か。排ガスも出ず、都市での公道レースにぴったりだ。スイスの最大都市チューリヒで2018年6月10日に開催されたレースを取材してきた。(外国経済部 新井佳文)

 ◇誕生5年目

 フォーミュラEは「ePrix」とも呼ばれる。F1を主宰する国際自動車連盟(FIA)が14年、環境に優しい新世代のモータースポーツとして始めた。18~19年シーズンは欧米や中東、中国の13都市で開催され、チューリヒはその11戦目に当たる。

 コースは、風光明美なチューリヒ湖畔に近い一般道を通行止めにして設定されていた。開始前からすごい熱気。家族連れの市民も多い。参加する企業は思い思いのイベントを開き、環境技術の高さをPRしている。

 スタートすると、仮設スタンドを埋めた観衆から大歓声が上がった。10チームのレーシングカーがあっという間に通過していく。最高速度は時速225キロで、F1に比べると100キロ前後遅い。F1の魅力の一つとなっている爆音がないことに当初は違和感もあったが、公道レースゆえレーシングカーとの距離が近く、迫力は満点だ。

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