悪質タックル問題の処分について記者会見する関東学生アメフット連盟の柿沢優二理事長(右)ら=2018年5月29日、東京都中央区【時事通信社】
アメリカンフットボールの悪質タックル問題で、関東学生アメフット連盟は29日、臨時理事会を開き、日本大アメフット部の内田正人前監督と井上奨前コーチに、規定で最も重い除名処分を下すと決めた。事実上の永久追放処分となる。(除名は社員総会での決議事項のため、次回総会での決議が条件)
日大アメフット部と当該の選手には2018年度シーズン終了までの公式試合について出場資格停止としたが、再発の危険がないことや抜本的な組織改革などが認められれば処分を解除するとした。日大の森琢コーチは2番目に重い資格剥奪処分とした。
同連盟の規律委員会が行った調査結果に関する説明は次の通り。
【調査の概要】
2018年5月6日に発生し、9日に発足した委員会だが、当日の9日から28日まで調査を続けてきた。規律委は日大関係者、資格没収となった日本大の当該選手、関西学院大の関係者、審判、当日試合会場で本件を目撃した方々など、それに関連する事実の全部または一部について直接的に見聞きした関係者約20人にヒアリングを実施し、また動画サイトにアップされた本試合の映像を注意深く何度も見返して検証した。独自ルートで規律委が入手した幾つかの通信記録や音声データなども参考にした。
事実認定の方法について。当該選手と内田前監督、井上前コーチの供述内容が大筋で一致している事実、およびこれと矛盾しない事実については、基本的に規律委が当該選手および他の関係者からヒアリングで聴取した事実をベースに事実確認を行った。
供述内容が一致しない点については、相互の不一致、矛盾点、他の客観的事実との整合性、社会通念に照らして著しく不合理、不自然でないかなどを検討し、各供述者の置かれた立場なども勘案しながら、供述者の供述全体の信用性を吟味した。この検討、議論のプロセスでは、各委員および補助者の人生経験はもとより、アメフット経験者としてのプレイヤー感覚、または指導者感覚、当連盟委員としてこれまで見聞きしてきた現場感覚および経験値を十分勘案しつつ、委員のうち法曹資格を有する者の法曹実務経験に基づいて、裁判所における事実認定の実務で一般に行われている経験則および証拠法則ほど厳格でないものの、それに準拠して各供述を評価し、最も合理性が高いと認められる事実を認定していった。
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