ワールドカップ(W杯)が開催されるロシアは遠い国にも感じるが、旧ソ連時代にはスポーツ交流を図るなど日本とは浅からぬ縁がある。ゆかりある選手、関係者の話を聞いた。
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J2横浜CのMF松井大輔は、Jリーグを含め計5カ国11クラブを渡り歩いてきた。プロ11年目の2010年に新天地として選んだのは、当時ロシア・プレミアリーグだったトム。シベリア西部に位置するトムスクが本拠地のチームで、同年9月にデビューした。
ロシアの国土は日本の約45倍と広大。実働4カ月で移籍したが、転戦は苦労の連続だった。特徴的だったのは芝の具合が地域によって異なる点。「欧州寄りはぬかるみ、中央部はアジアのように乾いている。対応が難しかった」。長い移動に加え、陸路では道がでこぼこ。たびたび体が浮き上がり、バスの中で眠れなかったという。
ただ、地元の人々は温かく受け入れてくれた。レストランでもたちまち店員と打ち解けた。「最初はとっつきにくい感じがするが、日本人が珍しかったのもあって優しくしてくれた」と振り返る。
日本がW杯1次リーグ第3戦で当たるポーランドのリーグでプレーした経験もあり、警戒すべきはセットプレーと指摘する。「大きくて強い選手が多い。CKは、ふわーんと上げろと言われていたくらい」。松井は日本が16強入りした10年南アフリカ大会で、全4試合に先発出場した。今回の代表へ「何かやってやろうという気持ちがチームのためになる」とアドバイスする。(2018年5月24日配信)
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