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フェンシングを満員に! 太田雄貴さんインタビュー

新種目構想

 もう一つの取り組みの柱が、アーバン(都市型)スポーツ化だ。日本アーバンスポーツ支援協議会の副会長を務める太田会長は、18年4月に広島でされた国際大会「FISE Hiroshima 2018」を視察。東京五輪でも実施される自転車BMXフリースタイルやスケートボード、スポーツクライミングのボルダリングなど若者に人気の競技の盛り上がりに接し、意を強くした様子だ。

 「フェスのようにカジュアルに見に行って、本当は(タイムや技を競う体操の種目の)パルクールの選手を見に行ったんだけど、フェンシングが格好良かったから自分の息子はそれをやらせよう、となってもらえるような取り組みをしていかないといけない」

 「(広島での国際大会は)初めてだったので粗は目立ちましたが、少なくとも土日の2日間だけで8万6000人を集客するスポーツイベントって、野球とサッカー以外で僕の知っている限りはない。今回のFISEは入場料が無料だった代わりに、8万6000人分の顧客データが手に入った。これを現金化できるようなスキームを取っているんですね」

 フェンシングのアーバン化とは具体的に何か。既存の五輪3種目(フルーレ、エペ、サーブル)以外に、若者を引き付けて収益化も見込める新種目を独自に開発する大胆な構想がある。

 「4種目目をつくる。名前も自分たちがつける。盛り上がってくると、国際フェンシング連盟に交渉に行ける。ワールドカップのエキシビションでやってみていい? とか、五輪種目を目指さない? とか。32年五輪に入ったら面白いかなと思います」

 「日本発のスポーツ。(自転車の)ケイリンもそうですよね。決して無理な話ではなくて、僕はチャンスがあると思う。例えば大学の剣道の子に参戦させて、なぎなたの子に声を掛けて。剣技のナンバーワンをここで決めるぐらいの感じにするとか。伝統を重んじつつ、変革を恐れない設計ができればいいなと思っている」

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