サッカー日本代表前監督のバヒド・ハリルホジッチ氏(65)が4月27日、東京都内の日本記者クラブで会見し、2018年ワールドカップ(W杯)ロシア大会開幕2カ月前の電撃解任について「日本をこんな形で去ることになるとは考えたことはなかった。私自身が考えつく限りの最悪の悪夢。リスペクトがないのではないか。人間として深く失望している」と語った。同氏が記者会見するのは、今月7日にパリで解任通告を受けてから初めて。会見には報道関係者約330人が集まり、同氏は予定を30分上回り、約1時間半語り続けた。会見の主な内容は次の通り。
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(解任を通告された)7日以来、初めて私の口から話す機会となった。日本という素晴らしい国を初めて体験してきた。いろいろな物を敬う日本という素晴らしい国に来たのは、観光客、物見遊山ではない。私の手で日本のサッカーに何かをもたらせるのではないか、という気持ちで来た。日本をこんな形で去ることになると考えたことはなかった。人間として、深く失望した。日本にW杯の準備のために来て、しっかり予選を通過させた。ハイレベルなサッカーの世界で45年仕事をしてきて、監督という職業ははかないもので、どんな時だろうと何が起こるか分からない。私に通告されたことに対しては、大変失望した。私に対するリスペクトがなかった。
3年間、日本代表チームのためにいろいろな仕事をしてきた。それを説明したい。しっかり誇りを持って仕事をしてきた。(就任)最初の日に、日本サッカー協会のJFAハウスに行った時、こう聞いた。「どこにオフィスがありますか?」と。「あなたのオフィスなんてありませんよ」ということなので、すぐにお願いした。日本のサッカーの歴史で初めてだったようだ。毎日オフィスに出勤した。代表チームのセレクションだけでなく、毎日ミーティングをしたり、テクニカルスタッフと選手の試合の視察もした。選手一人一人の報告書、レポートをつくる。毎週月曜日は、スタッフ全員とミーティングをした。故障した選手とはすぐ連絡を取り、どういう状況かを聞いた。一人一人に、3年間ありがとうと言いたい。私の人生で、ここまでやる気があって、みんなが規律正しくやってくれるのを見たことがない。練習の中身も、選手の集中度、質の高さも本当に素晴らしく、ビッグなブラボー、ビッグなメルシーを申し上げたい。
3年前から、私は誰とも何の問題もなかった。特に、選手との問題はなかった。常にコンスタントに選手たちと連絡を取り合っていた。何度、海外組の選手と電話で話しただろうか。国内組もそうだ。合宿、公式戦でもオフィスをしつらえてもらって、選手たちに来てもらって、話し合いができる場をつくった。皆さんは証人になってもらえると思うが、人前で誰か一人の選手を批判したことは一度としてない。いつも「悪いのは私、批判するならハリルを批判してくれ」と言っていた。実際、ピッチで選手たちと1対1で話す時は、ちょっと違っていた。私が何かを言いたい時は、ちゃんと面と向かって言うようにしている。こんなにストレートな物言いに慣れていない選手もいたかもしれない。でも、私はこの選手、チームに対する思い入れは強かった。
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