自然エネルギーを活用し、地域再生に取り組む人々を描いた自主製作のドキュメント映画「おだやかな革命」が2月3日から3月中旬まで東京・東中野の劇場「ポレポレ東中野」で公開される。
原発事故後、太陽光による電力会社を立ち上げた福島県の酒蔵の当主や元畜産農家。自力で小水力発電事業を立ち上げる岐阜県の山奥の村民。秋田県にかほ市の風車、岡山県西粟倉村の森林資源を生かす人々。映画はエネルギー自治を目指す地域住民の姿を追い、経済成長社会の中で見失われた「豊かさ」とは何かを問う。
渡辺智史監督(36)は「お金だけではない豊かさ、自然や本来大切にしてきたものの豊かさに多くの人が気付き始めている。それを穏やかに描きたかった。これからどういう社会を展望するか、日本のローカルな場所から問い掛けたい」と語る。
ふつふつと湧き上がる力
映画のナレーションを務めた女優の鶴田真由さんは次のようなコメントを寄せた。
「この映画には、静かに力強く、ふつふつと湧き上がってくる力があります。その力はあまりにも美しく、切なく、愛に満ちていて、胸が締め付けられそうにもなります。でも、そこに『光』を感じます。パンドラの箱に残った『希望』のように」
映画を見た後なら、鶴田さんの言葉の意味が何となく分かるだろう。その力とは、自然と人それぞれが持つ力であるかもしれないし、自然に立ち向かう人が生みだす力かもしれない。
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