会員限定記事会員限定記事

世界に一つの指輪 オーダーメード体験記

ブルーの輝き、宝物を手に

 デザインを決めてから3週間後、原型チェックの日がやってきた。ろうのような素材で指輪の形が作られており、実際に手に取ってデザインを立体的に確認する工程だ。この原型の形で指輪として完成するため、修正したい点はこの時点で伝える必要がある。大幅なデザイン変更は難しいが、微調整は可能だ。

 筆者は、中央のプルメリアの花をもう少し大きめにしてほしいとお願いした。絵で見るのと立体的になったものを見るのでは、やはり印象が異なる。チェックが終わると、それから2〜3週間で、いよいよ本物の指輪が仕上がる。

 完成日は前もって教えてもらっていた。ついに迎えた出来上がりの日。「お待たせいたしました」と箱を手渡された時の高まる気持ち、わくわく感。ずっとファンだったアーティストのコンサートに行き、その人が登場する直前のような…お分かりいただけるだろうか。

 ケースを開ける。ピンクゴールドにプルメリアの花、サンタアクアのブルーの輝きが目に飛び込んでくる。そっと指に通してみる。着けていることを忘れそうなくらい軽やかだ。浅川さんが石の色味や輝きについて説明してくれていたのに、失礼ながらしばらく手元を眺めてしまった。

 何もないところからデザイナーと話し合いを重ね、完成した指輪。デザインのプロセスなど制作の過程はとても楽しく、思い入れのあるリングが完成した。今後、何かに行き詰まったときも、心から喜びを感じたときも、そっと励まし見守ってくれる存在となってくれるに違いない。

新着

会員限定

ページの先頭へ
時事通信の商品・サービス ラインナップ