2020年東京大会から五輪競技に復帰する女子ソフトボール。08年北京五輪の金メダル再現が期待される日本にとって、大エース上野由岐子(ビックカメラ高崎)、「二刀流」藤田倭(太陽誘電)に続く投手の育成が最大の課題とされる中、高校生右腕の勝股美咲(岐阜・多治見西高3年)に熱い視線が注がれている。
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8月25-27日に群馬県高崎市の城南野球場で行われたジャパンカップ。勝股は第1日、カナダとの予選リーグ初戦で六回に登板し、1回を無安打1三振に抑えた後、第2日の米国との予選第2戦に先発した。この試合、宇津木麗華監督は幾つかの思惑を持って勝股を送り出している。「この試合を落とすと、次のオーストラリア戦に必ず勝たなければ決勝へ進めない。今の日本の選手は若くて、後がない戦いの経験が少ないので、そういう経験をさせるのもいい」「日本リーグは各チームに好投手がいて、日ごろから試合であまり強い打球を受けていない」
若い勝股が強打の米国打線を抑え込むのが難しいのは織り込み済みで、勝股にも野手にも次へつながる試合にしようと考えていた。「勝股は3失点までなら完投させるつもりでした」と宇津木監督。勝股は一回、いきなり四球と安打で無死一、二塁のピンチを招いたが、後続を断ち切る。二回は2死から連打で一、二塁とされたが、三振で切り抜けた。
つかまったのは三回。先頭の2番・モールトリーに右越え本塁打を浴び、1死後には主砲チデスターに左翼線二塁打、さらにアリオトに右越え本塁打を打たれて3失点。五回には安打の走者を置いてチデスターに左中間へ豪快な2ランを浴びて監督の「完投条件」を満たすことはできず、田内愛絵里(トヨタ自動車)の救援を仰いだ。
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