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ヒアリ、遭遇したらどうする?~身を守るための対処法~

正しい知識を身に付け、落ち着いて対処

 ―安静にしなければならないのか?

 伊藤 アナフィラキシーは、運動など血流を良くすることを行うと症状が進みやすく、刺された直後に走って帰宅したり、慌てて自分で動き回って病院に向かったりするのは危険だ。一人でトイレに行き、倒れるような事例もあるため、まずは周囲の人に助けを求め、絶対に一人にならないことが大事だ。周りに人がいない場合は、知り合いに連絡し、刺されたことを伝える。アナフィラキシーの症状が進みそうなど怪しい時はいっそのこと救急車を呼んでしまった方がいい。

 ―最後に読者に伝えたいことは?

 伊藤 ヒアリが発見され騒ぎになっているが、ヒアリもハチと同じようなものなので、そこまで怖がらなくてもいい。環境省のホームページなどから正しい知識を身に付け、落ち着いて対処していただけたらと思う。

【佐藤 俊幸(さとう としゆき)】 茨城県常陸太田市出身。理学博士、東京農工大農学研究院准教授。幼少のころから社会性に関心を持ち、茨城大理学部生物学科における卒業研究でアリの生態研究を始める。筑波大大学院生物科学研究科においてヒアリと同様に多女王制コロニーをつくるアリの研究で博士の学位を取得。アリやハチなど社会性昆虫の行動生態学が専門。

【伊藤 直香(いとう なおか)】 神奈川県出身。日本アレルギー学会専門医・指導医、日本小児科学会専門医・指導医、医学博士。東大大学院医学系研究科などを経て、現在、国立病院機構 下志津病院アレルギー、小児両科に勤務。アレルギー疾患全般の診断、治療を行い、アレルギー疾患の根本的治療法となる免疫療法(減感作療法)も各種行っている。「経口免疫療法」(「小児科診療」診断と治療社)などを執筆。ヒアリに刺された時の対処について触れた環境省のパンフレット「ストップ・ザ・ヒアリ」も編集協力した。

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