ヒアリ、遭遇したらどうする?~身を守るための対処法~

アリ塚には近づかない

―環境省では特定外来生物に指定している。

 佐藤 外来種対策を専門とする国立環境研究所では「とにかくヒアリだけは日本に入れてはいけない」というスローガンを持って対応している。
 理由は一度繁殖を許すと甚大な被害が出てしまうため。米国では、農業機械を壊したり、人を刺したりと、年間5000億~6000億円の経済損失が出ていると言われている。
 また、生態系にも大きな影響を与える。ヒアリが定着すると、在来種のアリを襲い、絶滅させてしまう。在来種には、植物の種子を運ぶアリもおり、いなくなると、植物がなくなったり、それを食べる昆虫がいなくなったりと、生態系が崩れてしまう。

―日本での繁殖の可能性は?

 佐藤 今はギリギリ防いでいる状態だ。日本ではコンテナなどで見つかっているが、繁殖までは許していない。ヒアリは、暑い時期に羽アリが羽化するため、この夏が勝負だと思う。殺虫剤で駆除するなど水際作戦の徹底が必要だ。

 ―子どもを持つ親などから不安の声も上がっているが。

 佐藤 日本国内ではまだ政府が防いでいるので、子どもが刺される心配はない。むしろ台湾や米国などへ外国旅行した際に刺されるケースを心配した方がいい。
 殺虫剤を自宅の庭にまいたりしている人もいるようだが、まだ定着を許していないので、むやみに在来種のアリを殺してはいけない。在来種は、単独で巣を作る女王アリの侵入を防ぐには有効で、いなくなるとヒアリの定着リスクが逆に上がるからだ。

 ―仮にヒアリが定着してしまった場合、身を守るにはどうすればいいのか?

 佐藤 アリ塚に近づかないことだ。台湾などでは、ヒアリのアリ塚があるところに看板が立っている。自宅付近でアリ塚を見つけた場合は、専門家を呼ぶ。自分でアリを駆除しようとすると、刺される可能性があるので、自治体の専門部署などに通報してもらいたい。

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