草野球などで広く愛用されている軟式野球のボールが、2018年から新しくなる。全日本軟式野球連盟は16年12月、ボールの新規格を発表した。これまでA号(一般)、B号(中学生)、C号(小学生)と分かれていた区分が、M号(中学生・一般)とJ号(小学生)に変更される。
軟式野球のボールは1938年に初代が誕生し、2005年から使用されている現行のボールは6代目。13年ぶりに登場する7代目の新ボールは、何がどう変わるのか。5つのポイントから探った。(時事ドットコム編集部 舟木隆典)
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新ボールは、「重く、大きく、硬く」なると言える。軟式野球ボールの研究を行っている法政大学大学院修士1年の興梠涼さんは、「感覚は硬式に近づきます」と説明する。
新しいM号と現行のA号の大きさは直径72ミリで変わらないものの、重量はM号が2グラム重くなって138グラムとなる。新たにM号を使用することになる中学生にとっては、大きさは現行のB号の直径70ミリから2ミリ大きくなり、重量も135グラムから3グラム重くなる。小学生のJ号も、C号から大きさが直径1ミリ大きくなって69ミリ、重量も1グラム増えて129グラムとなる。
規格変更の背景の一つには、小中学生の体格の変化がある。ボールのサイズは1951年以降変化がなかったが、その間に小中学生の平均身長は10センチ以上伸び、平均体重は小学生が9.4キロ、中学生は14.2キロ増えた。全日本軟式野球連盟の宗像豊巳専務理事は、「身長も体重も、手も大きくなった。体力増進のための適正なボールが必要、というのが第一歩だった」と明かす。
硬さも増す。ゴムと薬品の配合の比率を変更し、ボールの硬さを示す指標となる「圧縮荷重」がM号、J号とも現行と比べて増加した。
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