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歴史ファン・東出昌大さんが語る「司馬ワールド」と「関ヶ原」の魅力

「家康憎し」が最初の感想、人間くさい歴史の英雄

 天下分け目の戦いをめぐる壮大な人間ドラマを国民的作家、司馬遼太郎が書いた歴史小説「関ケ原」の初めての映画化が話題だ。主人公は西軍の中心になった石田三成(岡田准一)。東出昌大さんは、その西軍を土壇場で裏切り、徳川家康率いる東軍の勝利を決定付けた小早川秀秋役で出演する。
 東出さんと言えば読書好き、歴史好きで有名。数々の司馬作品も愛読している。映画が8月26日に全国公開(東宝系)されるのを前に、「司馬ワールド」と映画の魅力について語ってもらった。

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 19歳ごろから、司馬ファンだった父の影響で、先生の作品を読むようになりました。同時に歴史好きになって、本はもちろん、テレビや漫画、ゲームなどでも歴史物に親しみました。

 最初に「関ケ原」を読んだときの感想ですか? 「家康憎し」の気持ちでしたね(笑)。
 それから三成の軍師、島左近に引かれました。そのカリスマ性と包容力に憧れて読んでいました。
 三成に対してはもともと、それほど良い印象を持っていませんでした。好きな戦国武将は、革命的であるとか、合戦で負け知らずといった軍略に才能を持つタイプの人。冷徹な能吏タイプの三成は魅力的ではなかったですし。

 でも、司馬先生の作品の魅力は、登場人物それぞれが、たとえ英雄でも人間くさいところですね。三成も、自分が正義だと思っていることが、他の人にとっての正義ではない、だけど意地を張っている、というようなところが書かれていました。実生活の人間関係でもあることですよね(笑)。そういう描写にはとても共感しました。
 司馬作品では、一人ひとりの心理描写や、人間の機微のようなことが書かれているので、教科書で見た歴史上の人物に一気に近づいたよう気がしますね。

 東出昌大プロフィル

 ひがしで・まさひろ=1988年生まれ。埼玉県出身。映画「桐島、部活やめるってよ」で2012年俳優デビュー。主な映画出演作に「クローズEXPLODO」「寄生獣」「アオハライド」「デスノート Light up the NEW world」「聖の青春」など。今後は「OVER DRIVE」「寝ても覚めても」が公開予定。特技は剣道。

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