2020年東京五輪に臨む全日本女子バレーボールチームの監督に、かつての名セッター中田久美さんが就任した。日本女子バレーは真鍋政義監督の下、10年世界選手権と12年ロンドン五輪で銅メダル。リオデジャネイロ五輪では、さらに上を期待されたが、準々決勝で米国に敗れた。
13年に引退したセッター竹下佳江の後継者が定まらず、エース木村沙織も現役を引退した。全日本監督就任は、いばらの道へ歩みだすことを意味する。
16年10月の就任発表から半年。プレミアリーグが終わり、17年度の全日本チーム登録選手も発表された。本格始動を間近に控えた中田監督に聞いた。
(時事ドットコム編集部)
全日本の監督になることは、前から考えていましたか。決断した大きな理由は。
中田 監督をやってみたいという気持ちが、どこかであったのかもしれない。でも、やりたいと思ってできるポジションではないから。タイミング的なものや自分の気持ちや、いろいろなことが重なって決めたんだと思います。そういう流れが来たというか、みなさんのご理解と後押しがあったので。
リオの結果を見て、自分に何かができるというよりも、誰かが何とかしなきゃいけないのではないか、という思いの方が強かったです。東京でオリンピックという、次はいつあるか分からない、本当に特別な大会なので、自分のバレーボール人生を懸けて、最後、バレー界に恩返しできればという思いで引き受けました。
3月23日に発表された全日本女子の登録選手27人には、リオ五輪代表7人をはじめ、黒後愛(東レ)ら初めて選ばれた若手も含まれていますね。選考に当たっての考え方は。
中田 一つのポジションで一つのことだけじゃなく、二つ以上のプレーが武器となる、武器となっている、なるであろう選手を選びました。
チームづくりって結局バランスだと思うんですね。若い選手だけでチームをつくろうと思ってもうまくいかないし、ベテランをそろえればいいかというと、勢いがなくなったり。黒後選手は非常に有望だし、私も周りも期待していますけど、彼女にいきなり大きな荷物を背負わせることは、たぶん難しいし、そんなに甘い世界ではない。ある程度チームを固めた上で、彼女や若い選手たちをどういうふうに勢いとして乗せるか。チームの状況を見ながらやっていかなければと思います。
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