主演の岡田は36歳。NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」で主役を務め、映画「永遠の0」では日本アカデミー賞主演男優賞。着実に俳優としてのステップを積み、重厚な演技力を磨いてきた。小栗は34歳、柄本も30歳と、ほぼ同世代。3人から見れば、降旗と木村は「名作をたくさん手掛けられたレジェンド(伝説)」(岡田)だ。そんなコンビの撮影現場を体験した3人は、完成した作品を見た感想をこうコメントした。
岡田 脚本には描かれていない空白の部分が、どういう作品になるのか。お二人にはどんな完成形が見えているのかを、僕自身、演じている時にも探り続けました。映画自体も登場人物みんなが探し続けている作品になっている感じがしました。
もしかしたら、降旗監督はそのことが分かっていて、あえて僕らに「せりふを作るという宿題」を与えてコントロールしていたのかもしれません。
小栗 余韻を味わえるエンディングで、僕は好きな映画でした。全体的に“柔らかみ”や“温かみ”が流れています。見終わった後に、ジワーッと良かったなと思う映画を、久しぶりに見たなと思いました。
柄本 脚本の空白の部分を、撮影や美術、われわれ演技者もそうですけれど、みんなで構築していくと、こういう映画が生まれるんだなと思いました。映画作りとはこういうことなのかと感じられました。
現場に立った俳優の反応を見ながら脚本を変え、いかに作品を完成させるか。監督とキャメラマンの「力」を、3人とも実感したようだ。
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