緊迫感のあるサスペンスドラマは、過去の回想を挟み、それぞれに「家族の形」を探し求める人間の孤独を点描しながら、テンポよく場面の歯車が回る。そして、能登で迎える感動のラストシーン。
―このラストシーンは最初から決まっていたのでしょうか。
降旗 僕には最初からイメージがあったんです。それで、大ちゃんも、それがあるんだろうなと察してくれました。そういうところから、脚本を直したということがありました。そのシーンに込めたものを、映画を見た人に感じ取ってもらえたら、うれしいなと思っています。
―とても心に残る絵になっていましたね。
木村 監督は最初からひとこと言っていましたね。「このイメージをやろう」とね。
―最後になりますが、日本映画界は斜陽に陥り、苦闘した時代がありました。最近は盛り返している感もありますが、今の映画界をどう見ていて、何を求めていますか。
降旗 映画はまだその芸術、芸能のスタイルとして、ずっとずっと続くと思っています。理論的に正しいかどうかは分からないが、そう思って仕事をするしかない。流れに身を任せるしかない、というところでしょうか。
木村 これからの人たちに頑張ってくれということしかないけどね。
僕はこれからもフィルムで撮るつもりです。デジタルにはデジタルの良さがあるから、利用してはいるけど、自分が今までずっと培ってきたノウハウとアイデアで、これからも戦っていきたいと思います。「劒岳 点の記」の時、「これで映画界おさらばする」と言っちゃったから、言いにくいんだけど(笑)。
―お二人の17作目も楽しみにしています。ありがとうございました。
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