東京都の豊洲市場(江東区)をめぐる問題で、築地市場(中央区)からの移転を決めた当時の知事だった石原慎太郎氏が都内の日本記者クラブで会見した。主な発言は以下の通り。
《冒頭発言》
私が百条委員会(東京都議会調査特別委員会)に呼ばれているようだが、とてもそれまで待てない心境。座して死を待つつもりはない。私の家の前に小池さん(小池百合子東京都知事)のランニングドッグのメディアが猖獗(しょうけつ)して、プライバシーは侵される、近所迷惑するという混乱が続いている。事をはっきりさせるために、こういう機会を設けさせてもらった。
行政の責任というのは二つ種類があると思う。それは作為に対する責任、もう一つは不作為に対する責任だ。すべきことをしなかった責任があると思う。小池知事に問いたい。
私は当時の最高責任者として、審議会なり、特別委員会なり、あるいは議会が調査権を持っていろんな調査もして、委員会でもきわどい採決で可決されたわけだが、それを踏まえて最高責任者として豊洲の移転に裁可を願いたいということで、承諾して裁可した。行政の責任は当然裁可した最高責任者にあることは認める。しかし、やるべきことをやらずに、事を看過し、日々築地で働いている人を生殺しにしたままほったらかしにして、しかもランニングコストにべらぼうなお金がかかる、あるいは築地の方々に対する補償にべらぼうなお金がかかる、こういった混迷、迷走に対する責任は今の都知事、小池さんにある。
この問題について最高権威の学者さんたちの話をじかに聞いた。「豊洲の現況というのは全く危険がない」と。「風評に負けて豊洲がこのまま放置されると、科学が風評に負けたことになる。これはまさに国辱だ、世界に日本が恥をかくことになる」という忠告ももらった。
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