会員限定記事会員限定記事

大名跡を襲名して 女形・五代目中村雀右衛門

さらなる飛躍へ

―襲名を機に歌舞伎界での存在感がますます高まり、芸の継承にも心を砕く。

 自分が先輩や父から教わったことはできるだけ正確に伝えていきたい。それは自分がいろんなお役をさせていただけるようになったからこそ思うことで、伝統芸能の世界にいる者としての義務だと思っています。

 今後の目標はともかく、雀右衛門の舞台を見て良かった、楽しかったとお客さまに喜んでいただける舞台を毎日務めることに尽きます。父はよく、「役者は職人だ」という表現をしておりました。25日間舞台をやって、毎回を同じか、それ以上に務めていかなくちゃいけないわけですから。自分もそのようなつもりで務めていくことができればと思います。

―このところ外国人観光客が増え、歌舞伎座周辺でも多くの外国人を見掛けるようになった。

 歌舞伎は日本の美意識や人との関わり合いをそれぞれの時代の風俗や形で表現している。歌舞伎は1人じゃできないというのはそういったところにもある。外国にはない美しさを感じ取っていただければと思います。

 歌舞伎は新しいものを取り入れながら発展してきたものであるし、昔からの伝統を受け継いで今につながっている。その両輪あって初めて進むもので、これからもそういう形で発展していってほしい。女形として先輩や父たちの芸を体で表現し、伝えていくことができればと思っています。

インタビュー バックナンバー

新着

会員限定

ページの先頭へ
時事通信の商品・サービス ラインナップ