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翁長雄志沖縄県知事インタビュー

県民の意思、明確に

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設をめぐり、県が前知事による埋め立て承認を取り消してから1年が過ぎた。この間、国側は取り消しの違法確認訴訟を提起し、9月にあった福岡高裁那覇支部の判決では国の主張が認められたが、県はこれを不服として最高裁に上告。時事通信のインタビューに応じた翁長雄志知事は「承認『撤回』も視野に入れられる。辺野古の工事は前に進まないと確信している」などと述べ、国との訴訟で敗訴が確定しても、辺野古移設阻止に全力を挙げる考えを強調した。主なやり取りは次の通り。

 ―埋め立て承認取り消し後、県内の状況はどう変化したか。

 私は2年前、米軍普天間飛行場の県外移設、米輸送機MV22オスプレイの配備撤回、新辺野古基地を造らせないという公約を掲げて知事となった。承認取り消し後の今年行われた県議選、参院選でも民意はしっかり示された。保革を乗り越え、県民の意思が明確になってきた。

 ―政府は辺野古移設推進の姿勢を堅持している。

 辺野古問題の原点について、政府と私とでは考え方が大きく違う。沖縄県が米軍に基地を提供したことは一度もなく、すべて強制接収だ。普天間が老朽化したからまた土地を出せ、という形で新しく基地を造るのは合点がいかない。日本政府が民意を一顧だにしないのは大変残念。早く「辺野古が唯一(の選択肢という姿勢)」を取りやめて、話し合いで物事を決めてもらいたい。

 ―辺野古移設計画はこのまま進むと考えるか。

 (国が起こした代執行訴訟で3月に和解が成立後)工事は8カ月近く止まっている。私が知事に就任した時、あすにも埋め立てられるのではないかと思っていた。昨年4月には中谷元防衛相(当時)が「夏ごろに埋め立てる」と言っていたが、(承認取り消しやそれに伴う裁判で)それからも遅々として進んでいない。県民の合意が見通せないという意味で、辺野古の工事は前に進まないと確信している。

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