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伊調馨、国民栄誉賞受賞決定

記念品は和装を…

 政府は13日、五輪女子レスリングで4連覇を達成した伊調馨選手(32)に対する国民栄誉賞の授与を正式決定した。2013年の長嶋茂雄、松井秀喜両氏に次ぎ24例目。菅義偉官房長官は記者会見で授与理由について、「人一倍の努力と厳しい修練の積み重ねにより、世界的な偉業を成し遂げ、多くの国民に深い感動と勇気、社会に明るい希望を与えた」と説明した。

 伊調選手は同日午後、東京都内で記者会見を行い、「本当に自分自身の中では信じられない気持ちが大きい。身の引き締まる思いでいっぱい」と喜びを語った。

 記者会見の主な内容は次の通り。

 《冒頭あいさつ》

 みなさんこんにちは。女子レスリングの伊調馨です。本日はお忙しい中お集まりいただき、ありがとうございます。このたび、国民栄誉賞を受賞することができた。本当に自分自身の中では信じられない気持ちが大きい。これまで私を支えてくださったALSOKさん、日本レスリング協会の関係者の皆様に感謝の気持ちでいっぱい。今後自分の人生を、これまで以上にもっと考えなければならないな、と身の引き締まる思いでいっぱい。今後ともよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。

 ―国民栄誉賞、誰に一番伝えたいか。盾とともに記念品が贈られる。欲しい物は。

 試合の時に最後は(2年前に亡くなった)母が助けてくれたと言った。母に伝えたい気持ちもあるが、母はきっと生きている人間に感謝しろと言いそうな気がしている。これまで支えてくださった関係者の皆さま、練習でお世話になった警視庁第6機動隊の皆さまは横断幕をつくってくださったり、温かく迎えてくださった。一番伝えたい方々かなと思います。欲しい物は、うーん…。五輪に4度出場させていただいて、これからまた世界に出て行く機会が増えていくと思うので、日本人女性として、着物だったり、日本人の女性としての誇りである和装の文化を伝えていきたいなという気持ちが、この年になって出てきました。だから、ちょっとおねだりできたらいいなと思います。

 ―世界で戦った上での国民栄誉賞。研究されて厳しい戦いもあったと思う。中でも、苦しかった、つらかった時期は。印象に残っている試合は。

 厳しい練習をしなければ世界ではいいレスリングはできないし、勝てない。でも、自分ひとりでは乗り越えられない練習も、仲間がいることで乗り越えられる。苦しいとかつらいとか思いながらでも、楽しくやってきたかなと思う。レスリングの追求、研究を、勝つこと以上にこだわってやってきたからじゃないかなと思う。五輪はどの試合も印象的ですし、最近の試合ではリオ五輪が一番鮮明に残っている試合でもありますし、決勝の試合は本当に悔しい内容で、できればもう一度あの選手と戦いたい。

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