強い台風10号が北日本に接近、東北地方を直撃する可能性が高まっている。19日夜、八丈島近海で発生した10号は南西へ進み、沖縄県・南大東島近海で26日朝にUターンして、本州の南海上に戻るといった珍しい経路をたどった。
この台風は、香港にある山「獅子山」の英名「ライオンロック」と命名され、まさに獲物を狙う野獣のように約10日間にわたって日本列島の太平洋側をゆっくり移動しながら、その牙をむき始めた。(時事ドットコム編成部記者・荒木剛志)
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気象庁によると、ライオンロックは29日夜、伊豆諸島の東海上を北東へ進んだ。30日は温帯低気圧の性質を帯びながら、関東の東海上で次第に加速して北北西に進路を変える見通し。同日午後にかけては、暴風域を伴って東北地方に接近、上陸する恐れがある。
台風の接近・通過時は、北日本と東日本の広い範囲で激しい雨が降り、海上では猛烈な風、海は大しけになる。陸上では局地的に1時間80ミリ以上の猛烈な雨が降る。このため、同庁は土砂災害、河川の増水や氾濫、低地の浸水、竜巻などの激しい突風に十分注意するよう呼び掛けた。
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