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直木賞作家・黒川博行氏インタビュー

後妻業「モデルは78歳だった女」

 大竹しのぶ演じる「小夜子」の周りで次々とこの世を去っていく資産家の高齢男性たち。金目当てに婚活を利用して相手をだまし、命も奪う「連続殺人」を描いた映画「後妻業の女」の公開を前に、原作「後妻業」の著者で直木賞作家の黒川博行氏に話を聞いた。

 「元になった話はあるんですか」。記者の質問に、しばらく黙り込んでいた黒川氏は「知人の父親が被害に遭ったんですわ。4人は亡くなっている。みんな突然死です」と切り出した。

 さらに「他にも(死んだ人は)いると思う。10人はくだらないんやないんかな」。すかさず、「原作と同様、1人の女性の周りで起きたことですか」と確かめると、「そう。女は84歳になるけど、今もピンピンしているそうです。警察も立件でけへんかったから。6年前の話やから、当時は78歳ということになります。相手は91歳でした」。

 78歳の女が91歳の男性をだまして、遺産をさらっていく。にわかには信じ難い話だが、黒川氏は「男は自分より年下やったら、ええんです。(誘いを掛けられると)すぐなびく」と言い切る。

 黒川氏によると、男性は関西地方の地方自治体で幹部まで務め、退職。登録していた結婚相談所から最初に紹介された女性はまともだったが、亡くなった2人目は「あんたと結婚したいんやけど、今付き合ってる男と別れるのに手切れ金が要る」と500万円を要求。素直に渡すと、それ以降連絡が取れなくなったという。

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