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中国でも「後妻業」

元大学教授の孫が証言

中国で祖父が遭った「後妻業」被害について打ち明ける男性=2016年7月【時事通信社】

 その日は、突然やってきた。高層マンション前に乗り付けられた黒いバン。現れたのは離婚が成立したばかりの元妻。一緒にバンから降り立った屈強な男たちが家の中に押し入り、骨董(こっとう)品類を次々と運び出すと、元妻らはあっという間に姿を消した―。

 中国内陸部の大都市に住む中国人の元大学教授(79)が一時生活を共にした「後妻業の女」は、大竹しのぶさんが映画で演じた「小夜子」に勝るとも劣らない、かなりのやり手だった。

 この元教授を母方の祖父に持つ日本在住の男性に話を聞いた。

 祖父は大学で生物学を教えるだけでなく、詩を作り、書道もたしなむなど、文芸面も多才。「大学教授の社会的地位は中国でも高く、女性にもてていました」

 祖母は20年ほど前に他界。問題の「後妻業の女」と知り合ったのは、十数年前。「私が中学生の時でした。祖父は60代半ば、相手の女は40代前半ぐらい。知人の紹介でお見合いをして、再婚しました」

 小柄で、年齢の割にはかわいらしい、長い黒髪が似合う地元出身の美女。「小学校で音楽を教えていたと聞いています。母とも同世代でしたが、関係は良好でした」

 「甘え上手で、お小遣いをしょっちゅうおねだりする。マージャンが好きで、負けた時には必ず祖父に支払わせていたそうです。気が強いところもあり、『アメとムチ』を上手に使い分けるタイプだったと思います」

 しかし、「幸せな結婚生活」は4、5年で破綻する。「離婚することになり、7、8年前、母親立ち会いの下、財産を分け与えましたが、その後も『住む所がない』などと言って、祖父の家に転がり込もうとする。金目の物を持ち出そうとしているのでは、と母親が勘繰って玄関の鍵も換えさせました」

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