アイドル活動をしていた冨田真由さん(20)がファンの男に刺された事件は、ストーカー対策の難しさを改めて浮き彫りにした。
冨田さんのツイッターに並んだ執拗(しつよう)な書き込みを分析した専門家は「理不尽な要求や批判が、攻撃に発展している。典型的なストーカーだ」と分析。過激化するのを防ぐには、初期段階で「芽を摘む」対応が重要になるほか、危険度が高まれば第三者の助けが不可欠になると説いている。
専門家は、NPO「ヒューマニティ」の小早川明子理事長。1999年以降これまでに2000件以上のストーカー相談に対応し、被害者だけでなく加害者にも数多く接触してきた。ストーカー行為の罰則強化やSNS(交流サイト)連続送信の禁止といった法改正を提言(2014年)した警察庁の有識者検討会で委員も務めた。
冨田さんのツイッター上で、岩埼友宏容疑者(27)=殺人未遂容疑で送検=とみられる者の一連の書き込みは1月18日に始まった。
小早川理事長はまず、22日の「たまには返信して」「原因は僕でしょ」「利己主義者」という記載に着目。それぞれ要求、妄想、批判の表れで、このときストーカーの芽が出たとみる。24日の「彼はトミーさんの何ですか?」は嫉妬で、いずれもストーカーに共通した特徴だという。
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