2016年4月下旬、東京都内でクロックス・ジャパンの新作発表会が行われた。色とりどりの新作シューズが並ぶ同社オフィスに、数々の雑誌で活躍中の人気スタイリスト、亀恭子さんが登場した。
白いTシャツに薄い水色のデニム、ストライプのロングシャツをはおり、初夏を感じさせるさわやかな装い。足下はクロックスのネイビーのスリッポンを合わせ、帽子を被り、手元はシルバーのブレスレット。小物使いもさすがだ。
筆者は、亀さんの持つ柔らかな雰囲気と華やかなオーラに圧倒された。亀さんと言えば数々の女性誌で活躍する人気スタイリスト。家でリラックスしたい時に雑誌を開くのが好きな筆者も、これまで「亀恭子」という名前を幾度となく目にしてきた。
1978年1月生まれの38歳。数々のファッション誌でスタイリストとして活躍し、女性誌「AneCan」では「月刊・亀恭子」という特集記事が組まれ、モデルから逆指名されるほどの人気ぶりだ。
そんな亀さんも、当初からスタイリストを目指していたわけではない。約3年間、会社員として働き、2001年にスタイリストに転身した。
女性誌では最新のファッションに身を包むプロのファッションモデルとは別に、応募者から選ばれた読者が誌面に登場し、取材に協力したり私物を紹介したりする「読者モデル」が活躍している。読者にとっては、プロよりも身近で、真似したいと思わせる存在だ。
亀さんも読者モデルだった。その当時、後の師匠となる人に「スタイリストにならないか」と言われたのが転身のきっかけだという。
「もともとファッションは好きだけど、スタイリストになろうとは1ミリも思っていなかった」と明かす。「とはいえ、ちょうど3年目で職場にも慣れてきたころ、何か新しいことを始めたいという思いもあって。タイミングですね」。そう話す亀さんの表情はどこか軽やかで自然体だ。
新着
会員限定