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東京五輪エンブレム「A案」に決定

「組市松紋」に

2020年東京五輪・パラリンピックの新たな大会エンブレムに決定した「A案」[Tokyo 2020提供]【時事通信社】

 2020年東京五輪・パラリンピックの新たな大会エンブレムが25日、発表された。最終候補の4作品の中から、市松模様のA案に決定した。佐野研二郎氏の旧エンブレムが、他作品との酷似の指摘を受けるなどして白紙撤回されてから8カ月。大会のシンボルマークがようやく決まった。

 25日午後3時、都内の会場で開催された発表会。エンブレム委員会の委員長を務める宮田亮平文化庁長官と、委員の王貞治プロ野球ソフトバンク球団会長が、「A案」のパネルを掲げ、新エンブレムの決定を宣言した。

 一般公募で集まった1万4599件から選ばれたのは、東京都在住のアーティスト野老朝雄(ところ・あさお)氏の作品で、タイトルは「組市松紋」(くみいちまつもん)。歴史的に世界中で愛され、日本では江戸時代に市松模様として広まったチェック柄を、日本の伝統色の藍色で描いた。3種類の四角形を組み合わせたデザインに、多様性と調和のメッセージが込められている。野老氏は「ついさっき選ばれたと知り、頭が真っ白になりました。とても長い時間をかけ、わが子のような作品です」と喜びを語った。

 宮田委員長によると、この日午前から開かれたエンブレム委員会で、委員21人による記名による投票を実施。結果はA案が13票、B案1票、C案2票、D案5票。A案が過半数を集め、1回目の投票で選出された。その後、大会組織委員会の理事会では、同委員会の決定が満場一致で承認された。

 「参画と透明性を基本として、募集・選考を進めてきた」と宮田委員長。最終候補の4作品は一般公募で集まった1万4599件から2度のデザイン審査と本審査を経て選ばれ、公表前に国内外の商標調査をクリア。組織委は17日まで公式サイトとはがきで国民の意見を募り、4万件を超える意見が寄せられた。「皆様にいただいた意見を十分に参考にした。議論を尽くし、委員一同で誠心誠意選んだ」と強調した。

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