サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」の佐々木則夫監督が2016年3月18日、東京・本郷の日本サッカー協会で退任会見を行った。
佐々木監督は06年になでしこジャパンのコーチに就任し、08年に監督就任。以来、08年北京五輪4位に始まり、10年広州アジア大会優勝、11年女子ワールドカップ(W杯)ドイツ大会優勝、12年ロンドン五輪銀メダル、14年女子W杯カナダ大会準優勝など数々の実績を残し、日本の女子サッカー成長にも大きく寄与した。
16年リオデジャネイロ五輪最終予選で出場権を逃した責任を取り、佐々木監督は退任した。
【冒頭のあいさつ】
女子の指導者として携わって11年、選手たち、サッカー協会とともに世界を目指して仕事ができたこと、世界と戦えて結果もある程度出て、未来へさらに向けられたこと、最終的には大切なリオ五輪の結果には至らなかったが、僕自身は満足し、かつ充実した11年間を経験できた。本当に僕の大きな宝物として、今後どういう道に行くかはわかりませんが、いずれにしてもこの経験が、自分自身のステップになる。新たなステージに向けて頑張っていきたいと思います。
【質疑応答】
―これだけ結果を出せた理由は。
U19(女子日本)代表を指揮した時に、ボールを持っていない時の連係、連動する質を生かすことで、攻撃と守備が進化していくのではないかと感じた。僕自身、NTT関東というアマチュアのチームを指揮した時に、フィジカルが高いレベルでなく、その中で連係、連動する中で、ある程度結果を出せた。なでしこの選手を見たときに、フィジカルはないが、連係、連動の質があるんじゃないかということで、一助になるのではないかと、女子の世界に入ってきた。それが本当に、何とか力になれた。
―女性のチームを率いる上で、苦労もあったと思う。気をつけていたことは。
皆さん、男性が女性を指揮する時に大変じゃないか、ということをすぐ口にする。実際に皆さんが思うよりも、一人ひとりの志が高い選手だった。僕自身は、男性を指導するのとそんなに変わりなかったんじゃないかなと思っている。異性であることに変わりはない。一線を引くところはあった。選手も気を配ってくれた中での、これまでの活動だった。僕自身、よろいを着て、何か肩肘を張って指導したつもりは今までなかった。残念ながら、僕はそんなに大変だったことは特に感じなかった。
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